関西弁、標準語、娘はこの先どっちを使うんだろう?

今週のお題「方言」

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わたしは生まれも育ちも大阪南部で、
ニュータウンと言われる余所から人が集まった地区に25歳頃まで住んでいました。

なのでそんなに関西弁のきつい人は周りにいなかったのですが、
学生時代、模試とか学区を越えた集まりがあると、
お隣の岸和田とか泉州地区の人とも関わることになり、
そのエリアの方言はTHE関西弁、その上語尾が乱暴なので苦手でした。

今日やー、連れがやー、カラオケ行きたい言うてんねんけどなー

やーやーやーやー言います。
岸和田少年愚連隊」の世界です。
怖いです。

高校になるとさらに学区を越えて通学していたので、
泉州の人たちのやーやーやーやーを毎日聞くことになります。
そうして少しずつ、やーやーやーやーに免疫がついてきました。
10年以上の付き合いのある友人はやーやーやーやー言います。

四半世紀近く大阪に住んでいたので、関西弁の聞き分けは得意です。
テレビを見ていると、微妙なイントネーションで「この女優さんは関西の人かな」とわかるし、
小瀧望さんは「乗り回しる」と言ってるから兵庫出身じゃないかなぁ〜、とか、
なんとなーくですが、わかります。

標準語を喋る男性と結婚しました

さて、そんなわたしは横浜出身の男性と結婚しました。
わたし自身、もともと関東在住の友人が多くて標準語に抵抗はなかったのですが、
関東への転勤をきっかけに大阪を離れ8年経った今でも、
当然のように関西弁を喋ります。
家族はもちろん、友人との会話もまだ関西弁です。

標準語で会話できると思うんですけど、もともとお喋りが得意でなく、
標準語で喋ることを心がけると肝心の話の中身まで気を回せず、
支離滅裂な会話を繰り広げてしまうんじゃないかなーという思いから、
なかなか標準語で会話することができません。

仕事だったら問題ないんですけど。
(学生時代にテレフォンオペレーターのバイトで標準語を叩き込まれました)

でも、同じ関西出身の友人はすごくきれいに標準語を喋っているので、
かっこいいなぁ〜、と思います。

あと、関西弁ってやはり好みが分かれるだろうから、
関西弁を喋るだけで距離を置かれることもあるんじゃないかなぁ、とか。

特に札幌に引っ越して来てからその考えは強くて、
関西弁を喋る時は、当然、という思いよりは
大丈夫かなー不快な気持ちにさせないかなーという気持ちで喋っています。

関西弁の母と、標準語の父と

そんなわたしに育てられている娘。
2歳を過ぎて言葉が出てくるようになりましたが、
今のところ、関西弁8:標準語2で喋っています。
「ダメでしょ〜」とか「お絵描きするねん」とか。

わたしも夫も、娘がどっちの言葉を喋ろうが構わないんですが、
ただひとつ、<ダメ=あかん>という認識がされているのかが心配です。
例えば、「おもちゃ踏んだら壊れるからあかんで」という注意が理解されているのやら。

そしてこのまま札幌生活が続けば、
札幌生まれ札幌育ちのお友達に囲まれて育つことになります。
そうなった時に、

何でうちの母はごみを<なげる*1>と言わず<ほかす>と言って、
父は<捨てる>と言うんだろう?
どれが正しいんだろう?

みたいな話になるのが大変めんどくさいですねー!

札幌はほぼ標準語だし、
わたしが標準語を使うようにするのが手っ取り早そうですね。

関西弁と知らずに使って恥ずかしかった「なおす」という言葉

標準語と関西弁で異なる表現ってありますよね。

ものもらい(目の病気)=めばちこ
捨てる=ほかす
くすぐったい=こちょばい

これ、ある程度把握してなるべく使わないようにしていたんですが、
ひとつだけ、無意識に使ってる言葉がありました。
「なおす」です。

関東に転勤して一年ほど経った頃、同僚へ仕事の引き継ぎがあり、
「この資料は使い終わったらここになおして下さい」と伝えました。
しかし、小岩生まれ小岩育ち小岩在住の江戸っ子の同僚に、
「なおす、って何?片付けるってこと?」と言われ、そこで初めて気がつきました。
「なおす」が関西弁だったことを。

それはそれは恥ずかしかったです。
知らずに関西弁を押しつけてしまって…。

それからは、「なおす」という言葉は極力使わないようにしています。

実家を離れてからずっと読んでいる関西ネタの本

お母さんという女 (知恵の森文庫)

お母さんという女 (知恵の森文庫)

大阪人の胸のうち (知恵の森文庫)

大阪人の胸のうち (知恵の森文庫)

実家を出た頃に友人から貰って読んで以来、ずっと好きな益田ミリさんの本。
益田ミリさんといえば「すーちゃん」シリーズが有名だと思いますが、
わたしは彼女の大阪ネタの本がとても好きです。

桂三枝は自己紹介だけで笑えるほど絶対的な存在、
タージンはスーパースター、などなど、
わたしより少し上の年代の関西あるあるがたくさん載っていて、
同意という意味よりも、こういうおばちゃんおるおる〜、なんて気分で楽しく読めます。

今思えば、ホームシック対策にいい本だったのかもしれません。
関西を離れた人にはぜひ一度読んでみてほしい本です。

ずっと住んでいたからこそ、大阪の良い部分も悪い部分も見えてしまうんですが、
それでもたまには帰りたいな〜という気持ちになります。
札幌では毎日放送ちちんぷいぷい」が第一部だけネットされているんですが、
たまに「ちちんぷいぷい」を見たくなるのは、きっと関西弁を欲しているからだろうな〜。

*1:北海道の方言で、ごみを捨てることを「なげる」と言います